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アラ還世代のmomoko-mama。長年暮らした戸建てからマンションへの住み替えをしました。日々のくらしの中で日々、感じたこと、考えたことを綴ります

「葬」のかたちに思う

生まれた瞬間から、人は「死」に向かって歩き始めている・・・。そんなことを聞いたことがある。もちろん、終点までの道のりは長い(ことが望ましい)のだが、それでもだれでも、いつかその時は来る。その時、どこにいくのか・・・。今日の新聞の特集は「わたしのかえり方」。この年になると、無縁ではいられない話である。

世界には、いろんな「葬」の在り方がある。

自然の中では「生物は死ぬと土に還る」というが、今、米国では本当に「土に還す」還元葬というのがあるそうだ。人工的に(微生物に)快適な環境に制御されたカプセルの中で、ウッドチップやわらとともに微生物による分解を促進し、本当に自然な形で、科学的に安全で肥沃な「土」になるという。その間、約1か月。家族ににとって、亡くなった人と過ごす時間になっている。他にも、水酸化カリウムなどの溶液で分解するアルカリ加水分解葬というのもある。どちらも従来の土葬や火葬より環境負荷が少ないとされ、後者は約半数の州で合法化されているという。

高地で火葬のために植物が育ちにくいチベットでは、猛禽類に食べてもらうことで天に運ばれるとされ、「天葬」と呼ばれる。その地域の環境や暮らし方と埋葬方法は無縁ではないということだ。日本が土葬から火葬になったのにも意味がある。そして、これからも、変わっていくのだろう。

日本では、火葬後の遺骨を散骨することを希望する人も増えている。また、小型衛星で宇宙に飛ばし、最終的に大気圏再突入した時に燃えて「流れ星」になるという「宇宙葬」もある。流れ星になるなんて、ロマンティックな話だが、如何せん費用が高すぎる・・・。

1948年に制定された墓地埋葬法は、埋葬と火葬についてのみ規定している。ただ、91年に散骨を初めて行う際に、厚生省と法務省には確認し、節度をもって行う限り、違法ではないという見解が示されているという。ただ、還元葬やアルカリ加水分解葬は、厚生労働省にとっては、まだまだ「想定外」だそうだ。

いろんなことが社会とともに変わっていく。それは、「葬」の形も同じ。自分はどうしたいのか・・・。少なくとも、一人しかいない娘の負担になる「墓」はいらないと思っている。自然に還ることができるのが理想だけど、残る人たちの思いも大切。「葬」のかたちをどうするか、家族で話すことも必要な時代なのだろう。

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